◆ 荒井分支部長ブログ
ナレーション:12年前のワールドカップ。アメリカとの決勝。終了間際、澤の同点ゴール。ペナルティーキック戦にもつれ込んだ。日本の4人目。決めれば優勝の場面で熊谷。
熊谷:なんか、浮足立つじゃないけど、固かったのかな。マジで緊張してました。ちょっと何で自分なんだろうって思ってて。
ナレーション:極度の緊張の中にいた二十歳の熊谷。先輩たちから声をかけられた。
熊谷:宮間さんと永里さんが「ワールドカップの決勝でPKを蹴れることなんて、この先一生ないよ。これはもう、たのしまなきゃ損だよね」みたいなことを言ってくれて。二十歳の熊谷は本当にそうだよなって。グサッときて。ウヮ楽しもう!みたいな。その気持ちで行けたからこそたぶん思いっきり蹴れたのかなっていうのがあったので。
ナレーション:重圧から解き放たれた熊谷。ボールはネットに突き刺さった。この時の経験は熊谷が目指すキャプテン像に大きな影響を与えた。
井上真吾: (尚弥は)まあ普通
ぶきっちょじゃないけど
本当に普通
センスがあるとかも
別に思ったときもなかったし
だから日々やれることをやって
もう本当に半歩でも一歩でもって
今よりの明日
尚がどんだけ強くなれるかっていう
それだけですね
1日1日がんばって
ちょっとずつでもいいから
尚が強くなればっていうのが
強かったんですね
(尚弥は)絶対泣き言とか言わなかったですね
一回もないです
もう歯食いしばってでも
一生懸命やってました
負ける姿が想像できない
とか
無敵モードだ
みたいな
周りの人が見ているほど
自分自身は
そう思っていないんですよ。
だから今でも自信がないから
これだけトレーニングに
没頭できるというか
追い求めていけるのかな
って思うんです。
自分(長谷川穂積)が1つだけ(井上尚弥から)衝撃を受けた言葉があって
(尚弥に)「試合前どう寝れる?怖くて寝れないだろう?俺は試合前怖くて怖くて寝れなかった。試合前どうなん?寝れるの?」
って聞いたら「いや寝れないです」って言うんで
そうか井上くらいの選手でも寝れないんかと思ったら
「もう楽しくて寝れない」と
遠足の前の日みたいに
「早く明日になってくれないかな。もう楽しみで寝れない」
って言葉を聞いて僕はもうこれからは自分の時代ではない。
彼みたいな、ボクシングが怖いんではなくて
楽しむ選手がより上に行く時代になっていくんだな
っていうのを覚えています。
まあ自信でしょうね。
絶対負けないっていう。
長谷川穂積: あれぐらいすごい選手(井上尚弥)になると驕りがでるんですよ。普通は。
でも彼の姿、私生活を見てると驕りがないんですよ。
もうボクシングが全て。
絶対相手を舐めないです。
なんやったら舐めてくれて、ちょっといい試合の方が面白いのかもしれないですけど
でも舐めないから圧倒的に勝ってしまうんです。
多くの選手って目標、数字ですよね。
目標達成型の選手っていっぱいいるんですけど
彼はね、何のために野球をやっているのかとか
目的の方をもっと大事にしているんです。
目的達成型の選手なので
例えば今回世界一になっても
「はい、世界一になったら終わり」
その次を何のために野球をやっているのかというところで
ずーっとモチベーションを保ち続けれるんですよ。目標達成型って燃え尽きたりするんですけど
目的っていうのはある意味ゴールがなかったりしますよね。
そっちを見てるっていう。
(大谷選手を)近くでずっと見ていると
例えば早くからね(大谷選手は)「世界一の選手になりたい」ってずっと言ってたんですよ。
日本ハムファイターズ時代もね
(私が大谷選手に)「世界一の選手って何をもって世界一?」って聞いたことがあるんですよ。
そうすると「白井さん、世界一ってね、数字を残すだけじゃないんですよ。
目標だけじゃないんです。
野球をやってて多くの人に一番応援されて愛される野球選手になりたい。
野球を通して多くの人にプラスの影響力を与える。
これが本当の世界一なんです」って。
数字の先を見ている。