読むこと「勝つための思考法」 by ジョンセイヤー&クリストファーコノリーp181~p183

<記事や書物>

あなたのパフォーマンスについて書かれた専門的な記事や書物は明らかに貴重な情報源である。
ある種の障害はいろいろと読むことだけで克服されるだろう。
ある種の記事や雑誌を読むことで現在の力は増すはずだ。

私たちが指導するひとのなかには、とにかく読むことを訓練しなければならない人がいる。そういう人たちは学校で強制的に読まされすぎたせいで、現在は必要な情報をできれば耳から得たいと思っている。この方法の欠点は当然のことながら近くに必要な情報を持っている人がいないかもしれないということである。(情報が必要であることを知らせてくれる人さえいないかもしれない)。
少しの間、あなた自身に対して批判的になろう。あなたは潜在能力を発揮するのに必要な情報を与えてもらうために、どれだけコーチ、友人、近くの先輩、家族に頼っているだろうか。あなたはもはや独力で考えることをしないという危険にはまっているのではないか。もしそうなら、あなたの分野について書かれた情報のうち、もっとも簡単に入手でき、一.二ヶ月間、規則的に読めて消化できる本はないだろうか。あるいは、あなたが何らかの障害に阻まれているのなら、あなたの知っている人の中で役に立つ情報や新しいアイディアを与えてくれる興味深い記事を見つけ出してくれそうな人はいないだろうか。

私たちが指導する人のなかにはまた、読むことをやめる訓練をしなければならない人もいる。そういう人たちの問題は十分に読んでいないということではなく、濫読する点なのである。

新聞を手にすれば第一面から最後まで読み通し、それも見出しだけではすませない。電車に三時間乗る時は車内で読む本を持参しながら駅の売店で目を引く雑誌を買ってしまい、目的地に着くまで書類カバンを開けることもしない。
そういう人たちは適切な参考書を選んでいるのだが、第一章に魅かれる余り、索引を利用することを忘れてしまうのである。
あなたに必要なのが休憩や休止であるのならそれでもよい。そのような自由な状態から予想外に有益なアイディアや関連事項が認められることも認められるからである。

ただし、そのような読み方はあなたの進歩を阻んでいる特別な問題に対しての左脳による思考の規則的応用とは言い難い。
特別な資料としての専門的な読み物を利用するときには、あなたの意図するところを訓練日誌にその週のメンタルトレーニング・プログラムの一部として書き留めることをお勧めする。

<引き金になる書物>

イギリスの自転車競技チームの一人は各レースの前にトールキンの「指輪物語」を二ページばかり読む時間を取っている。彼によると、そうすることによって単に適度な興奮状態になるよう自分を落ち着かせるだけでなく、最高のパフォーマンスにする時にいつも感じる気分やムードにひたる助けになるというのである。

彼にとってこの気分を言葉にするのは難しいが、そのことは重要ではない。彼は自分に何が必要で、どうやったらそれを得られるかを心得ているのである。

バーバラ・ポッターはテニス会のランキングでは長年、世界のトップ・テンにいる選手であるが、似たような訓練を実行している。
彼女が読んでいるのは「剣の道」と呼ばれている。バーバラは遠征の間、何年もこの本を持ち歩き、どのページにもたくさんの線が引いてある。その点について尋ねられると、バーバラは一言こう答えた。「これは私のバイブルなのよ」

世界中の多くの人が夜の眠りにつく準備段階で聖書の一節を読む。枕元に自分の好きな本を置いている人も多い。その一冊が心をリラックスさせたり、眠れない時には慰めてくれたりするのだ。
この訓練を十分に活用するために、あなたは特定のパフォーマンスの流れのなかである特定の瞬間に必要とされる特別なムードを呼び起こしてくれる本を蔵書から集めてライブラリーを作っておくとよい。

※あなたの好きな本、良かった本がありましたら教えてください。

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